「安全確保される」 プルサーマル巡り佐賀県知事が見解

asahi.com 2006年02月07日12時02分→cache

 九州電力玄海原子力発電所佐賀県玄海町)3号機のプルサーマル計画で、古川康佐賀県知事は7日、県庁で記者会見し、「安全性の論点を抜き出して県の考え方をとりまとめた。いずれも理解し、納得できるものだった」と述べ、「計画は安全」との見解を発表した。玄海町も了解する見通しで、早ければ05年度内にもプルサーマル計画が最終了解される見通しになった。

 県は、国が安全審査で妥当とした原子炉の制御性や燃料などの技術面のほか、テロの可能性、地震への対応など独自の項目も加え、八つの論点について検討した。

 技術面については、賛否両論を示した上で安全性を追認したのに加え、テロ攻撃など不測の事態に対しても、県国民保護計画を作成し、対応するとした。さらに、国による厳格な規制・監督や九電の適正な安全管理により、総合的に「安全性は確保される」と結論づけた。

 古川知事は「論点は出尽くした。賛成、反対どちらがなるほどと説明できるかと考えた結果、国や九電が説明している内容がより理解でき、納得できた。独自に考えたテロや地震などの新しい要素も大丈夫という判断に至った」と述べた。

 技術面で国の審査を追認した形になった点については「国と見解を合わせるためにやったのではなく、私どもなりに勉強し、判断した結果、同じ結論になった」と説明した。

 九電は10年度までのプルサーマル導入を目指しており、残る手続きは安全協定に基づく県と町の事前了解だけ。

 玄海町議会は今月中にも同意する見通しで、これを受け、玄海町長が了解するとみられる。

 県は、玄海町や県議会などの意見を聴いた上で最終判断するが、県議会の反対派は少数にとどまる。県が「受け入れ可否の判断の前提」としてきた安全性についてゴーサインを出したことで、計画は早期に了解される見込みとなった。