放射性廃棄物地層処分シンポジウム2006 in 九州」を開催へ

資源エネルギー庁は「放射性廃棄物地層処分フォーラム」を平成18年7月28日に福岡県福岡市博多区のハイアット・リージェンシー・福岡で開催する。時間は14時から17時まで。
 地層処分は、放射性廃棄物を地下数百メートルの安定している地層岩盤中の処分場に永久に収納する処分方法。
 今回のフォーラムは、高レベル放射性廃棄物とはどんなものか、なぜ地層処分が必要なのか、地層処分はどのように行われるのか−−について、多くの人に知ってもらうとともに、地層処分地選定について理解を深めてもらうことを目的としたもの。
 地層処分をめぐる状況などに関する概要説明の後、九州大学大学院工学研究院教授の出光一哉氏、日本消費生活アドバイザーの野口博子氏、資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長の吉野恭司氏らが参加するパネルディスカッションを実施する。
また会場の外には「高レベル放射性廃棄物地層処分模型展示車」を展示する予定。
 参加希望者は、住所、氏名、電話番号を記入の上、特設サイトの申し込みフォームで18年7月18日までに申し込むことが必要。【資源エネルギー庁
記事に含まれる環境用語
放射性廃棄物

プレスリリース |
https://secsvr.net/chihoushi.com/sympo2006/kyushu/index2.html
関連情報 |
EIC ネット・コンテンツ
意見募集開始 地層処分の安全規制についての報告書案 (EICネット 国内ニュース)
放射性廃棄物地層処分フォーラム」を東京で開催へ (EICネット 国内ニュース)
関連リンク
地層処分フォーラム情報
原子力安全・保安院 放射性廃棄物 廃棄事業の安全規制
資源エネルギー庁  放射性廃棄物ホームページ 


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2006/06/28 21:43:35

高レベル廃棄物を特集したカラー冊子

電気新聞

電気新聞2006年5月26日 (金)より→cache

 電気新聞はこのほど、原子力発電に伴って発生する高レベル放射性廃棄物の問題と、その地層処分を一般向けにやさしく解説するカラー冊子「電気を使う一人ひとりに考えてほしいこと 高レベル放射性廃棄物地層処分」を発行しました。

 人々の暮らしや産業に使われる電力の30%以上は原子力発電によってつくられています。毎日の電気を届けてくれる原子力発電ですが、課題もあります。原子力発電に伴って発生する高レベル放射性廃棄物です。

高レベル放射性廃棄物放射能レベルが高く、それが弱まるまで非常に長い期間がかかります。人の生活環境から厳重に遠ざけて安全に処分することが必要です。

 今回の冊子は、高レベル放射性廃棄物と、それを深い地下に埋めて処分する地層処分を分かりやすく解説し、人々の理解を深めてもらう内容です。処分事業を行う原子力発電環境整備機構の取り組みや、キャスターの出光ケイさんによるこの問題へのユニークなコメントを紹介します。この分野の入門書としても利用できます。

 お問い合わせは電気新聞 メディア事業局まで。電話03(4283)1001 FAX03(3212)6155。電気新聞ホームページからも申し込みできます。1部240円(税込み)。なお、ご購入は10部以上からとさせていただいております。

資源エネ庁:高レベル廃棄物、英国と「交換」して返還

毎日新聞 2006年5月22日 19時50分→cache

 経済産業省資源エネルギー庁は22日、英国から13年度以降に返還される低レベル放射性廃棄物の代わりに、同じ放射能量の高レベル放射性廃棄物を受け入れる方針を決めた。英国側が提案していたもので、同庁は体積が少なくなるため輸送や貯蔵、処分費が大きく減り、経済的メリットが大きいと判断した。ただ、高レベル放射性廃棄物は国内でも処分地が未定で、「国民の理解や協力を得る必要がある」としている。

 エネ庁が22日の総合資源エネルギー調査会の小委員会で示し、了承された。

 各電力会社は原発の使用済み核燃料の再処理を98年まで英仏に委託しており、そこで生じた廃棄物が返還の対象となっている。英国からは高レベル廃棄物を閉じ込めたガラス固化体850本に加え、超ウラン元素(TRU)を含む低レベル廃棄物1万2000立方メートルが返還される予定だ。

 英国の提案は低レベル廃棄物の代わりに150本のガラス固化体を返還するというもの。日本に持ち込まれる「ガラス固化体」は結果的に計1000本となる。

 この廃棄物の交換が実施されると、海上輸送は37回から1回に減り、貯蔵、処分費用も含めると約2950億円が減額される。英国に支払う交換手数料を考えても、日本にとっては約2350億円が節約されるという。

 ガラス固化体は核分裂生成物を、ガラスと一緒にステンレス容器に詰めたもの。核分裂生成物は強い放射線を出すことから「死の灰」と呼ばれ、10万年以上の管理が必要とされる。人が近づくと数秒で致死量の放射線を浴びる。

 日本では、このガラス固化体を地下300メートル以上の場所に埋める(地層処分)予定で、現在、候補地を公募している。

 TRU廃棄物にも放射能半減期が長い放射性物質が含まれるが、大半は強い放射線や熱を出さない低レベル廃棄物だ。

 またエネ庁は同日、TRU廃棄物の一部をガラス固化体の近くに埋め立て処分できるよう制度を見直す方針も示した。【中村牧生】

毎日新聞 2006年5月22日 19時50分

高レベル放射性廃棄物:地層処分、安全性に懸念 放射能、1000年後地上に

毎日新聞 2006年5月22日 東京朝刊→cache
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20060522ddm016040026000c.html

地震、隆起で甚大な被害も

 日本原燃青森県六ケ所村)の使用済み核燃料再処理工場が実質稼働したことから、来年にもウランやプルトニウムとともに、高レベル放射性廃棄物である「ガラス固化体」が大量に生み出される。強い放射能と熱を出す核分裂生成物(死の灰)をステンレス容器に詰めたもので、地中深く埋める地層処分が計画されている。しかし、1000年後とはいえ将来的には放射能が地上にしみ出す可能性があり、環境への影響を懸念する声も出ている。【中村牧生】

 ■地下に10万年

 ガラス固化体に人が近づけば数秒で致死量の放射線を浴びる。このため10万年以上は人から遠ざける必要がある。

 地層処分はガラス固化体を深さ300メートル以上の地下に埋め、10万年以上にわたって岩盤が放射能を閉じ込めてくれることを期待する方法だ。

 六ケ所村の再処理工場が本格操業すると、ガラス固化体は年間で約1000本、40年間で約4万本が作られる予定。これとは別に日本が再処理を委託した英仏からの返還分2200本もある。

 核燃料サイクル開発機構(現・日本原子力研究開発機構)が「地層処分は技術的信頼性がある」と報告したのを受け、国は00年に法律を整備して実施を決定。国の認可で設立された「原子力発電環境整備機構」が実施を目指し、全国から処分候補地を公募している。

 再処理工場からアメリシウムなど超ウラン元素(TRU)を含む放射性廃棄物もドラム缶で年間8800本出るが、これもガラス固化体と一緒に「併置処分」する検討が進んでいる。

 ■水溶性物質も

 ガラス固化体は30〜50年は地上で貯蔵し、放射能と崩壊熱の減少を待ってから地中に埋める。地中では周囲を金属製の壁(オーバーパック、厚さ約19センチ)と粘土(同約70センチ)で二重に囲む。この「人工バリア」に加え、安定した地質という「天然バリア」で、放射能を長い間、人の生活環境から隔離する。

 オーバーパックの耐用年数は1000年程度で、それ以降は地下水が浸透して放射能の一部が地上に到達することが予想される。それでも原研機構・地層処分研究開発部門の梅木博之・研究主席は「地上にしみ出す放射能のピークは80万年後と予測され、レベルも自然界の放射線の100分の1以下。TRU廃棄物も数百メートル離しておけば併置処分しても問題にならない」と話す。

 しかし、報告書を詳細に検討した神奈川工科大の藤村陽・助教授(物理化学)は「非常に極端な場合として、1000年以前に地震が直撃してオーバーパックが割れ、その断層を地下水が上昇して放射性物質が地上に漏れる可能性を考える必要がある。またTRU廃棄物にはヨウ素129など水溶性の放射性物質が含まれ、地上への影響はガラス固化体より大きい。甘く見ない方がいい」と指摘する。

 ■場所選定難しく

 さらに地震などで地層が隆起し、万が一にも地上にガラス固化体やTRU廃棄物が出てきたら被害は甚大となる。このため処分場は10万年間で300メートル以上隆起しないことが選定条件とされるが、地震学者からは「10万年間も安定な地層は日本のどこかにあるかもしれないが、事前の調査で選定するのは無理」との意見もある。

 地層処分の場所が決まり、埋め立てが開始されるのは早くても60年ごろとされる。候補地の立候補受け付けは02年末から始まっているが、いまだに手を挙げた自治体はない。

毎日新聞 2006年5月22日 東京朝刊

核燃再処理 超ウラン廃棄物は埋設 経産省方針 高レベル処分場に併置

[http://snipurl.com/qrrm:title==2006/05/22付 西日本新聞朝刊=
2006年05月22日00時11分より]→cache
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/science/20060522/20060522_001.shtml

 使用済み核燃料再処理工場などの操業に伴って発生する超ウラン元素(TRU)を含む廃棄物について、経済産業省資源エネルギー庁は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場と同じ敷地内に地下埋設処分する方針を固めた。

 22日に開く総合資源エネルギー調査会の小委員会に提示し、関係法令の改正に向けて作業を始める。

 TRU廃棄物は、プルトニウムネプツニウムなどウランより重い超ウラン元素を含む放射性のごみ。放射能の寿命が極めて長いため、高レベル廃棄物並みの扱いが必要なものもある。単独で処分すると約8000億円かかるが、高レベル廃棄物と併せて処分すれば6000億円強まで費用を削減できるという。

 電気事業連合会の資料によると、再処理工場やプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料工場の運転、解体に伴い、今後約40年間に計約2万6000トン余り発生する見込み。

 小委員会での議論では、これらを放射能の強さや性質によって3つに分類。地表から数メートル、50―100メートル、300メートルより深い地中に分けて埋める。高レベル廃棄物の処分場の受け入れ先がまだ決まっていないため、TRU廃棄物との併置に地元の理解が得られない場合も想定し、併置と単独のいずれでも処分が可能になるよう、関係法令を手直しする。

 処分費用は、再処理工場を持つ日本原燃日本原子力研究開発機構がそれぞれの施設分を負担し、英仏などの海外再処理に伴う返還廃棄物については、再処理を依頼した電力会社が負担する。

超ウラン元素廃棄物

 ウランより重く、自然界には存在しないプルトニウムネプツニウムアメリシウムキュリウムなどの放射性元素を含む廃棄物。使用済み燃料再処理工場などから排出される燃料集合体の切断片、排気から放射性物質を取り除いた吸着材、核燃料を溶かすのに使った廃液、使用済みの工具などが該当する。再処理工場やプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料工場など関連施設の解体に伴っても発生する。

 =2006/05/22付 西日本新聞朝刊=
2006年05月22日00時11分

高レベル最終処分場候補地で10近い自治体が検討/自民部会長

東奥日報2006年5月16日(火)→cache

 高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定問題で、自民党・経済産業部会長の松島みどり衆院議員は十五日、概要調査地区(処分場候補地)への応募を検討中の自治体が全国で十カ所近くあることを明らかにした。松島議員は「(概要調査地区を)ここ二、三年で決めなければならない」とも述べ、最終処分問題に全力を挙げる考えを示した。

 青森市のラ・プラス青い森で開かれた自民党の電源立地および原子力等調査会(大島理森会長)と県幹部との原子力政策対話集会に出席した松島議員は「(概要調査地区について)水面下で手を挙げているというか、検討している自治体が十近くあるようだが、表立って国と一緒に検討するという段階には至っていない」と述べた。

 国の計画では、二〇二八年までに最終処分地を決め、三八年から処分を始めるのが目標。しかし、〇二年の公募開始以降、概要調査地区に正式に応募した自治体はない。

 大間町総合開発センターで同日開かれた対話集会では金澤満春町長が、プルサーマル軽水炉でのプルトニウム利用)実施を早期に受諾した自治体に交付金を出す新制度について、プルサーマルが前提の大間原発にも適用するか、または別の形で優遇措置を取るよう要請した。

 これに対し、資源エネルギー庁の安達健祐電力・ガス事業部長は「大間原発原子力政策への寄与は非常に大きい。電源立地および原子力等調査会と相談し、大間町の気持ちにきちんと応えられるようにしたい」と前向きな姿勢を示した。

 対話集会は、むつ市のホテルニューグリーンでも同日開かれた。